
神社を参拝していて、なぜか、神宮や大社の称号がついている神社が大きいと感じました。称号として、神社には格があるようなので調べてみました。紹介します。
国が定めた神社の社格(ウィキペディア参照)
平安時代にどのような社格が定められていたかが解る史料として、「延喜式」があります。
朝廷から幣帛(神への捧げ物)が奉献される神社を”官社”といいますが、延喜式にはその官社の
リストが掲載されています。
近代社格制度(きんだいしゃかくせいど)とは、明治維新以降、『延喜式』に倣って、新たに神社
を等級化した制度です。
明治4年5月14日(1871年7月1日)に太政官布告「官社以下定額・神官職制等規則」により制定。
これ以前の初期の社格として神祇官直支配社(大奉幣社・中奉幣社・小奉幣社)や勅祭社
(大祭社・中祭社・小祭社)があった。
昭和21年(1946年)2月2日、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の神道指令により神社の
国家管理が廃止されると同時に廃止されました。
廃止される前にあった社格は、官社と民社に分類されていました。
神祇官の管轄である官社は更に官幣、国幣、別格官幣社(官幣の小社と同待遇)に分類されました。
地方官の管轄である民社は府・藩・県社と郷社、村社、無格社に分類されました。
それ以外の社格やランク
一代一度大神宝奉献対象神社
一代一度大神宝奉献とは、新たな天皇が即位した際に50の神社に宝物を奉納することを言います。
| 伊勢神宮 | 三重県伊勢市 |
| 園韓神社 | 宮中 |
| 石清水八幡宮 | 京都府八幡市 |
| 賀茂社 | 京都府京都市 |
| 伏見稲荷大社 | 京都府京都市 |
| 松尾大社 | 京都府京都市 |
| 平野神社 | 京都府京都市 |
| 大原野神社 | 京都府京都市 |
| 春日大社 | 奈良県奈良市 |
| 大和神社 | 奈良県天理市 |
| 大神神社 | 奈良県桜井市 |
| 石上神宮 | 奈良県天理市 |
| 率川神社 | 奈良県奈良市 |
| 恩智神社 | 大阪府八尾市 |
| 枚岡神社 | 大阪府東大阪市 |
| 住吉大社 | 大阪市大阪市 |
| 大依羅神社 | 大阪府大阪市 |
| 生田神社 | 兵庫県神戸市 |
| 長田神社 | 兵庫県神戸市 |
| 多度大社 | 三重県桑名市 |
| 熱田神宮 | 愛知県名古屋市 |
| 富士山本宮浅間大社 | 静岡県富士宮市 |
| 三嶋大社 | 静岡県三島市 |
| 香取神宮 | 千葉県香取市 |
| 鹿島神宮 | 茨城県鹿嶋市 |
| 日吉大社 | 滋賀県大津市 |
| 南宮大社 | 岐阜県不破郡 |
| 諏訪大社 | 長野県諏訪市 |
| 一之宮貫前神社 | 群馬県富岡市 |
| 二荒山神社 | 栃木県日光市 |
| 鹽竈神社 | 宮城県塩竈市 |
| 鳥海山大物忌神社 | 山形県飽海郡 |
| 若狭彦神社 | 福井県小浜市 |
| 氣比神宮 | 福井県敦賀市 |
| 白山比咩神社 | 石川県白山市 |
| 気多神社 | 石川県羽咋市 |
| 熊野大神社 | 島根県松江市 |
| 杵築神社(出雲大社) | 島根県出雲市 |
| 伊和神社 | 兵庫県宍粟市 |
| 中山神社 | 岡山県津山市 |
| 吉備津神社 | 岡山県岡山市 |
| 厳島神社 | 広島県廿日市市 |
| 日前・国懸神宮 | 和歌山県和歌山市 |
| 大山祇神社 | 愛媛県今治市 |
| 宗像大社 | 福岡県宗像市 |
| 住吉神社 | 福岡県福岡市 |
| 香椎宮 | 福岡県福岡市 |
| 高良大社 | 福岡県久留米市 |
| 宇佐神宮 | 大分県宇佐市 |
| 阿蘇神社 | 熊本県阿蘇市 |
一宮
一宮とは、平安後期から中世にかけて行われた社格で、その国(令制国/律令国)で一番の神社のこと
です。一宮制度が始まった経緯や目的などは記録史料が存在しない為、謎が多い制度でもあります。
全国一斉に始まったわけではなく、二宮、三宮まである国もあれば一宮しか無い国もあり、また選定
基準も明確にはなっていません。
そういった理由から、一宮のリストには文献等によって差異があります。しかし有力な神社が
選ばれていることには違いなく、全国の一宮を巡る「一宮巡拝」なども人気となっています。
リストアップは文献によって差異があるようなので省略します。
二十二社(古今御朱印研究室参照)
二十二社とは社格の一つで、平安時代中期から中世にかけて朝廷から特別の崇敬を受けた神社で、
上七社・中七社・下八社の22社からなるそうです。国家の重大事や天変地異に際して特別の奉幣に
預かり、最高の社格として不動の地位にあったようです。
康保3年(966)伊勢・石清水・賀茂など16社への奉幣が制度として確立、順次追加されて長暦3年
に22の神社が揃い、永保元年(1081)永例とされて二十二社奉幣制度が確立したそうです。
二十二社への奉幣は室町時代後期に中絶した。衰退する神社も多かったが、江戸時代以降その研究
が行われ、明治以降もその伝統が尊重されて近代社格制度の基礎となったそうです。
| 社名 | 現社号 | 鎮座地 | 延喜式 | 近代社格 |
|---|---|---|---|---|
| 上七社 | ||||
| 太神宮 | 伊勢神宮 | 三重県伊勢市 | 大 | 神宮 |
| 石清水 | 石清水八幡宮 | 京都府八幡市 | 式外 | 官幣大 |
| 賀茂 | 賀茂別雷神社 | 京都市北区 | 名神大 | 官幣大 |
| 賀茂御祖神社 | 京都市左京区 | 名神大 | 官幣大 | |
| 松尾 | 松尾大社 | 京都市西京区 | 名神大 | 官幣大 |
| 平埜 | 平野神社 | 京都市北区 | 名神大 | 官幣大 |
| 稲荷 | 伏見稲荷大社 | 京都市伏見区 | 名神大 | 官幣大 |
| 春日 | 春日大社 | 奈良県奈良市 | 名神大 | 官幣大 |
| 中七社 | ||||
| 大原野 | 大原野神社 | 京都市西京区 | 式外 | 官幣中 |
| 大神 | 大神神社 | 奈良県桜井市 | 名神大 | 官幣大 |
| 石上 | 石上神宮 | 奈良県天理市 | 名神大 | 官幣大 |
| 大和 | 大和神社 | 奈良県天理市 | 名神大 | 官幣大 |
| 廣瀬 | 廣瀬神社 | 奈良県北葛城郡河合町 | 名神大 | 官幣大 |
| 龍田 | 龍田大社 | 奈良県生駒郡三郷町 | 名神大 | 官幣大 |
| 住吉 | 住吉大社 | 大阪市住吉区 | 名神大 | 官幣大 |
| 下八社 | ||||
| 日吉 | 日吉大社 | 滋賀県大津市 | 名神大 | 官幣大 |
| 梅宮 | 梅宮大社 | 京都市右京区 | 名神大 | 官幣中 |
| 吉田 | 吉田神社 | 京都市左京区 | 式外 | 官幣中 |
| 廣田 | 廣田神社 | 兵庫県西宮市 | 名神大 | 官幣大 |
| 祇園 | 八坂神社 | 京都市東山区 | 式外 | 官幣中→大 |
| 北野 | 北野天満宮 | 京都市上京区 | 式外 | 官幣中 |
| 丹生 | 丹生川上神社下社 | 奈良県吉野郡下市町 | 名神大 | 官幣大 |
| 丹生川上神社上社 | 奈良県吉野郡川上村 | |||
| 丹生川上神社[中社] | 奈良県吉野郡東吉野村 | |||
| 貴布禰 | 貴船神社 | 京都市左京区 | 名神大 | 官幣中 |
勅祭社
1868年(明治元年)、明治天皇は氷川神社の祭事を勅祭として行った。これが近代の勅祭社の
始まりです。1883年(明治16年)、賀茂神社(賀茂御祖神社、賀茂別雷神社)の賀茂祭(葵祭)、
石清水八幡宮の石清水祭が勅祭と定められて今日につながる勅祭社となり、以降はその数を
増やしていった。
賀茂別雷神社、賀茂御祖神社、石清水八幡宮、春日大社、熱田神宮、出雲大社、氷川神社、
鹿島神宮、香取神宮、橿原神宮、近江神宮、平安神宮、明治神宮、靖国神社、宇佐神宮、香椎宮
まとめ
今回は、神社の格について紹介しました。次回は、神宮、大社について調べて紹介します。

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