日経電子版で珍しくウォーレン・バフェットの話が載っていましたので紹介します。記事を書かれたのは田村正之氏です。
記事の内容
ハナと関根の会話形式で解説する記事ですが概要になります。
ロイター
みんながバフェット氏になれるわけではない。
実はバフェット氏は古くから、銘柄選びをせず市場全体を買うインデックス(指数連動型)投信の擁護者という意外な顔も持つ。
毎年2月に自分が率いるバークシャー・ハザウェイ社の株主への手紙を公表する。例えば2014年の手紙。投資先事業の利益を見積もる自分の眼力について語ったあと、こう書いた。「ほとんどの投資家は、事業の見通しが立てられるようになる勉強を人生の優先事項にはしないでしょう。もし賢明であれば、特定の事業の将来利益を予測できる知識を持っていないことがわかるでしょう」
つまりみんながバフェット氏になれるわけではないということ。
勝者を当てることではない。
買うタイミングも当てようとするな。
「買うタイミングも当てようとするな」とも説いている。「初心者や臆病な人は相場が極端に過熱したときに相場に参加し、評価損が出れば幻滅してしまいがちです。この間違いを防ぐには、長い時間をかけて株式を買い続けていくことです。そして悪いニュースが出て株価が高値から下げても、決して売らないことです」
頻繁に売買すると生じる費用は巨額
実はバフェット氏自身は、保有株を結構頻繁に売買している。でも普通の人がそれで成功するのは簡単じゃないってことだろうね。バフェット氏は次に、投資をアドバイスする人たちに言及した。「アドバイスや取引を担当することで稼ぐ人は、相手が個人か機関投資家かを問わず常にアクティブに動くことを勧めてきます。それにより生じる費用は巨額で、投資家全体としては利益を捧げてしまう結果になります」
避けるべきは高い手数料の運用商品
バフェット氏が避けるべきとしているのが高い手数料の運用商品。毎年の運用報酬1~2%に加えて20%もの成功報酬を取ることが多いヘッジファンドは高コストの象徴だ。07年のバークシャーの株主総会でバフェット氏は100万ドルを賭ける勝負の挑戦者を募った。S&P500種株価指数に連動する米バンガード社の低コストのインデックス投信の成績が、挑戦者が選ぶヘッジファンドの成績を手数料控除ベースで上回れば、バフェット氏の勝ちというわけだ。挑戦を受けたのはファンド・オブ・ヘッジファンドの運営会社、プロテジェ・パートナーズ社。勝負は08年から始まり、17年に終わった。
S&P500種株価指数に連動するインデックス投信の10年間の年平均リターンは8.5%。しかしプロテジェ社が選んだ5つのヘッジファンドは、一つとしてインデックス投信に勝てなかった。バフェット氏は18年の「株主への手紙」でヘッジファンドの「大負け」を報告したあと「計200人を超すヘッジファンドのマネジャーたちは、経営陣と対話したりアナリストと意見交換をしたりして、何万回と売買を繰り返しただろう」と紹介している。
バフェット氏が「普通の人はインデックス投資でもいい」と勧めたのはこれだけではなく、過去にも何度も繰り返している。彼が「当て続ける自信のない普通の人」は「長期・分散・低コスト」を徹底すれば十分な成果が得られるとしていることは、特にこれから投資を始める人への重要なアドバイスだ。ただし日本の場合は日本株に加えて、米国も含めた世界への幅広い分散が大事。
21年2月の手紙の主要発言をピックアップ
田村正之(たむら・まさゆき)氏とは
編集委員。証券アナリスト(CMA)、ファイナンシャルプランナー(CFP)。日本年金学会幹事。著書に「人生100年時代の年金戦略」「税金ゼロの資産運用革命」「老後貧乏にならないためのお金の法則」など。
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